2011年9月8日木曜日

今、日本の原発は、どうなっているの? ー私たちが声を上げる理由ー

脱原発デモを実行するTwitter有志(通称TwitNoNukes)のデモでは、初回から配布しているハンドアウトがあります。
7/23の第3回目のデモからは、なぜ私たちがこうしたデモをやっているのかと、今の日本の原発を巡る現状をまとめた文章を掲載しています。

今回からはこちらのエントリにて、随時新しい情報を更新して行く形で、ハンドアウトと同様の記事を掲載していきます。

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今、日本の原発は、どうなっているの? 
ー私たちが声を上げる理由ー

1. 子供たちが危ない
福島第一原発事故により、東日本は深刻な放射能汚染にさらされ、高い放射線量の「ホットスポット」が各地に生まれています。
首都圏でも千葉の松戸流山、埼玉の三郷などがホットスポットになっており、東京都内では足立区葛飾区江戸川区などに高い放射線量の地域が集中しています。 
政府が福島県いわき市などの15歳以下の子供の甲状腺被曝検査をした所、1080人の検査結果で、44.6%(482人)の被曝が確認されました。
東大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦氏をはじめ、多くの学者が政府の対策を批判しています。
東日本の子供たちの健康と生命は、一刻の猶予もない危機を迎えています。




2. 泊原発を巡る北海道知事と北電の癒着!
泊原発3号機のプルサーマル計画をめぐる「やらせメール」問題を受け、北海道の高橋知事は会見で、
定期点検で停止中の泊1、2号機の再稼働に「少なからず影響が出る」と自ら発言。
さらに、北海道電力の役員や元役員による知事への個人献金が、
2009年までの6年間で少なくとも297万円に上ることが発覚
ほかにも、北海道在住の弁護士や研究者らが、1000人規模の原告団と100人体制の弁護団による
廃炉訴訟の準備を進め、東京新聞が高橋知事と北海道電力の癒着を報道、
さらには札幌で脱原発デモが行われるなど、包囲網は確実に狭まっており、
引き続き反対の声を上げていく事が重要になっています。




3. もんじゅも復旧作業開始!リスクの高い原発の現状
日本原子力研究開発機構は、原子炉内に落下した炉内中継装置引き抜き作業を6月に終了した、高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の復旧作業をついに開始してしまいました。
高速増殖炉は、事故が起これば福島第一原発の様な軽水炉よりも遥かに甚大な被害を生みます。
世界でも多くの国々が計画段階で高速増殖炉を諦めています。
もんじゅについては、菅前首相も廃炉も含め検討すると発言していましたが、野田新政権に変わった途端、推進勢力は早くも運転再開に向けて動き出しています。
ほかにも、老朽化した原子炉の爆発のリスクが高く、「最も危険な原発」とされる、佐賀県の玄海原発(現在は九州電力やらせメール事件により、再稼働ができなくなっている)など、全国の54基の原子炉の中には、老朽化したものも多くあり、今後日本列島で地震活動の活発化が予測される中で、深刻な事故を起こす危険があります。





4. 多くの地方自治体は原発に反対!

福島原発事故後、福島県知事新潟県知事が停止中の原発の再稼働を認めない方針を相次いで表明し、福島県は脱原発を基本理念に掲げた「復興ビジョン」を打ち出すなど、事故が起これば壊滅的な打撃を受けることを知った原発立地の自治体では、原発の安全性に疑問が噴出し、現在多くの停止中の原発が再稼働できなくなっています。
一方、山口県上関町に建設中の上関原発は、地元住民の激しい抗議と、福島原発事故後、
また、青森県大間町で建設予定の大間原発も、「巨大な活断層による地震を想定せずに設計されている」として市民団体から工事差し止めの訴訟が起こり、近隣の函館市などの自治体が建設凍結に向けて連携を始めるなど、中止を求める声が高まっています。
しかし、福井県では越前、小浜両市案の「原発脱却」議案が県市議会議長会で否決されるなど、各自治体が脱原発依存を果たすには、多くの国民によるさらなる後押しが必須の状況になっています。






5. 来年には泊以外のすべての原発が停止。それでも電力は足りる。
9/4、伊方原発1号機が定期検査の為停止しました。これにより、現在稼働中の原発は54基中、全国でわずか11基になり、全国の原発のなんと80%が停止している事になります。
稼働中の原発も定期検査の為に今後停止する予定であり、このままいけば来年4月までに泊原発3号機以外のすべての原発が運転を停止します。
すでにほとんどの原発が停まっており、火力と水力の発電能力だけで充分に必要な電力をまかなえるにも関わらず、「原発が必要だ」と思い込ませるために、根拠のない「電力不足」「節電しよう」のプロパガンダがマスコミで展開されています。
原発推進勢力は、マスコミに多額の宣伝費を注ぎ込んでおり、その多くは私たちの税金から出ています。




6. 野田新政権の誕生と反省知らずの原発推進勢力
先日の民主党代表選で、野田佳彦氏が新代表に選ばれ、野田新政権が誕生しました。
野田首相は過去に原子力技術を蓄積することが現実的」と発言し、原発の維持に理解を示しています。
また、新政権発足後には、鉢呂前経済産業相が国内の原発の将来的なあり方についてゼロになる」、「上関は着工困難」との見解を示し、 さらには原発エネルギー政策見直し人事」 の発表をしようという寸前未だに謎の部分の多い「放射能失言」問題で辞任後任の枝野新経済産業相は「安全性を確認しながら地元の理解も得たうえで再稼働をすべき」とする一方「原発をゼロにしても大丈夫な状況を一刻も早くつくる」と玉虫色の発言に終始し、未だ脱原発を望む多くの国民が情勢を注視し、声を上げ続ける事が必要な状況が続いています。
さらには経産省経団連など、政界・財界を中心とした原発利権集団も巻き返しを図ろうと画策しており、脱原発をめぐる現状は、決して楽観視できるものではありません。




7. 財界人や有名人、マスコミからも脱原発の声
福島原発事故の後、ソフトバンクの孫正義社長が「脱原発」を訴え、自然エネルギー財団を設立。
俳優の山本太郎さんが数々の反原発/脱原発デモ抗議行動に積極的に参加したり、吉永小百合さん、 坂本龍一さん、大江健三郎さん、瀬戸内寂聴さん市原悦子さん、湯川れい子さん菅原文太さん、西田敏行さん、松田美由紀さん、加藤登紀子さんらたくさんの芸能人・著名人が、次々に脱原発の意思を表明しています。
また東京新聞も連日のように脱原発キャンペーンを展開し、朝日新聞もついに社説で脱原発を主張するなど、反原発/脱原発の声は、マスコミにも確実に広がっています。


(2011年9月現在)